金井麻紀子著 「素晴らしきヴィニュロンたち」の巻末付録より転載
醸造・その他の用語
アッサンブラージュ
品質の一定化を目的として、樽別やタンク別に熟成させたものを一つにまとめる作業。或いは、別々に
醸造された複数のブドウ品種をひとつにブレンドすること。
アペラシオン
アペラシオン・ドリジン・コントロレ(AOC..原産地統制名称)の略、1935年に銘醸地ワインの保護と管理
を目的とし制定された法律で、銘醸産地名を製品にうたうための資格を定めたもの。産地ごとに生産地域
品質、栽培法、生産量、残糖量、アルコール度数などが定められている。
ヴァンダンジュ
ブドウの収穫
ヴァンド・ペイ
ヴァン・ド・ターブル(テーブルワイン)の一格上のもので、特定の栽培地域から生産されるもの、他地域
のものと混ぜることは禁じられている。
ウイアージュ
ワインの熟成中、樽の木目を通してワインが蒸発し目減りした分を注ぎ足す作業。ワインが目減りして樽のる。
上部に空気の隙間ガデキルト、ワインの表面から酸化してしまうので、樽を一杯にするために行われる。
ヴィエイユ・ヴィーニュ
樹齢の古いブドウの木(具体的な樹齢の規定はない)。古い木は収穫量は減るが、凝縮した質の高いブドウがとれる。
ヴィニュロン
ブドウの栽培に従事する人。
澱(リー・フィンヌ)
ワインの熟成につれて、ワインの中に含まれる酵母やたんぱく質などの凝固物が沈殿したもの。熟成中、ワインが澱から旨み成分を吸収して厚みとなる。
カーヴ
ワインの貯蔵庫。地下蔵を指す。
カーヴィスト
専門小売業者、収穫管理者。
貴腐
ブドウの果皮にボトリティス・シネレアという菌がつき、この働きでブドウから水分が抜けて糖度が上がる過熟状態になること。貴腐化したブドウから造られる貴腐ワインは
独特のアロマやなめらかさを持つ。
キュベ
シャンパーニュの収穫後、プレスする時のほぼフリーランに近い一番良い部分のプレス・ジュースのこと。発酵タンクのこともキュベという。
キュプリー
キュベの立ち並ぶワインの発酵室。
グイヨー・ドゥブル
剪定方法のひとつデ、グイヨー。サンプルガ、バケットと呼ばれる主となる枝が1本なのに対してドゥブルは2本、その他ゴブレ式ヤコルドン・ドゥ・ロワイヤーというのが一般的
な剪定方法である。
グラヴィテ方式
醸造中、ワインを移し替える時など、ポンプを使わないで、重力でワインを上から下へと動かす方法。
グランヴァン
銘醸地。
クレマン
シャンパーニュと同じ方法(メトッド・トラディショネルという)で造られたシャンパーニュ地方以外のAOC産地で造られた発泡酒。
コラージュ
ワインの中の大きな澱を除去するための澱下げ。卵白やゼラチンなどのタンパク質をワインに入れることによって、タンパク質に不純物が付着して沈んでいく。
酒石酸
ブドウの果汁に含まれる酸の代表。これがワインの中のカリウムに結びつくと結晶化して酒石となる。
除梗
ブドウの房から顆粒を取り、花梗(へた)を除く作業。
スーティラージュ
ワインの熟成期間中、ワインと澱を分離させ、澱が混ざらないようニワインの上澄みだけを他の容器に移し替えること。
タイエ
剪定のこと。モシクハ、シャンパーニュのキュベと反対にプレスしても使わない部分ノジュースのこと。
タンニン
ブドウやお茶を含めて植物に広く存在する物質で、渋み、収 味があり、赤ワインの渋みのもとにもなっている。ブドウでは果皮、花梗、種子などに多く含まれ、果肉の
液部には含まれていない。
デキャンタージュ
ワインの澱などを除去スルタメニ、ワインを静置して瓶や底に澱を沈着させてから、上澄み部分の容器(カラフ)に移すこと。
デギュスタシオン
テイスティング、ワインの利き酒のこと。
デゴルジュマン
シャンパーニュを造る際、ルーミアージュ(動瓶)にヨッテボトルネックに集まった澱を除去する作業。最近では手作業に代わり、瓶の首を急速に冷却して氷の栓で瓶口に澱
を閉じ込め、圧力を掛けて全ての不純物と一緒に取り除く方法がとられるようになった。
デブルバージュ
発酵前の澱引き。白ワインを造るための作業のひとつで、大きな澱を沈降させ、上澄みだけを取り出す。
テロワール
もともとはフランス語で「耕地・土地」という意味ダガ、ワインでは畑の気候、土壌、地勢などを合わせた意味で、おもにワインの味に含まれる畑・土壌から来る独特な
キャラクターを意味する。
ドザージュ
天然発泡性ワインの糖度調節作業。デゴルジュマンによって澱を抜き取ると同時にリキュール・ド・ドザージュ(マール+砂糖)を入れる。糖度によって最終的に得られる
ガス圧が決まる。
ドメーヌ
栽培からワインの醸造まで行う生産者を示す。ボルドー地方の「シャトー」と同意。
二酸化イオウ
収穫後すぐに、酸化を防ぐために酸化イオウを添加する。その他健康なワイン酵母のみを残し、弱い酵母やとバクテリアを消滅させ、異常な発酵やワインの病気を防ぐという
役割もある。
ネゴシアン
生産者からブドウを買って自社で醸造するか、樽やタンクですでに醸造されたワイン、あるいは瓶詰めされたワインを買いつけ、熟成させてから市場に出す会社。
畑の格付け
原産地名称で決められている、クリュ(畑)の等級。畑名つきのものは主に畑のキャラクターからその名がつけられているものが多い。
バトナージュ
鎖のついたバトンでタンク内や樽内をかき混ぜ、澱の部分とワインをコンタクトさせる作業。
ビジャージュ
果皮から色素やタンニンを抽出するために、果帽を棒で突き崩したり、足で果帽を踏む作業。
フィネス
上質、美しさ、精巧さの意味。ワインでは極めて出来が良く、味の細やかさ、優雅さを帯びていることを形容する場合いなどに用いられる。
フィルター・ノンフィルター
ワインの瓶詰めの際に、澱や微生物が残って瓶の中で浮遊し、二次発酵を起こさないようにフィルターをかける。しかし「フィルターをカケルトワインの味が奪われる」
とノンフィルターを支持する生産者や評論家もいる。
フィロキセラ
ブドウの木の根に寄生する害虫。19世紀半ばにアメリカから輸入したブドウ樹についたフィロキセラに強いアメリカ産のブドウ樹を台木にヨーッロパ品種を接ぎ木するという方法
で被害を抑えた。
プルミエクリュウ
ブルゴーニュ地方では、「グラン・クリュウ」が特級畑、「プルミエ・クリュ」が1級畑。
マセラシオン
果汁、果皮、種子などを接触させて発酵させることで、赤ワインの色とタンニンは、果汁を発酵させる際に果皮、種、また果梗を一緒に漬けることによって抽出される。
そのやり方のよって、出来上がったワインの深みやタイプが変わってくる。
マロラティック発酵
特に赤ワインに必要な発酵で、乳酸菌がワインに含まれるリンゴ酸を乳酸菌と炭酸ガスに分解することによって、ワインの酸味が減少し、まろやかな味になる。
ルーミアージュ(動瓶)
シャンパーニュを造る過程で瓶を逆さにして揺らしながら開店させる作業。これによって澱がボトルの口の部分に集まるので、これを「デゴルジュマン(口抜き)」と
いう方法で抜き取る。
ルモンタージュ
ブドウ果汁を循環させる作業。果帽(発酵槽の上部に浮いた果皮や種子など)の上から果汁をまんべんなくかけることにより、果皮からタンニンや色素などが抽出される。
AOC
カシィ
プロヴァンス地方のAOC。白、赤、ロゼがある。
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
ローヌ地方、コート・デュ・ローヌほぼ全域で生産されるAOCワイン。赤と白がある。
コート・ドゥ・ジュラ
ブルゴーニュ地方の東、スイスの国境に隣接するフランシュ・コンテ地方ノジュラで造られるAOCワイン。サヴァニャン、シャルドネから造られる辛口の白、ピノ・ノワール
プールサール、トルッソーから赤ワインが造られる。有名なのは、フール菌の守られながら熟成されるヴァン・ジョーンヌ、ヤジュースにマールを入れて造るマクヴァン・ド・ジュラ
などである。
コート・ドゥ・ボーヌ
ブルゴーニュ地区名で、コート・ドールを二つに分けてマルサネイからニュイサンジョルジュまでがコート・ドゥ・ニュイ地区、ラドワ・セリニから南がコート・ドゥ・ボーヌ地区。
コルビエール
南フランス、ラングドック・ルーション地方のAOCワイン。赤、白、ロゼあり。
サンセール
フランスのほぼ中央、ロワール河左岸で造られるAOCワイン。石灰岩、粘土質、小石や貝殻の化石が混じっているといった、複雑な土壌である。ソーヴィニヨンから造られる
辛口の白が有名だが、ピノ・ノワールから造られる赤とロゼもある。
サントーヴァン
コート・ドゥ・ボーヌ地区のAOCワイン。赤と白の算出量はほぼ半々。
シャサーニュ・モンラッシェ
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ボーヌ地区の村名AOCワイン。赤と白がある。
シャブリ
ブルゴーニュ地方、シャブリ地区のAOCワイン名。シャルドネから造られる辛口の白ワイン。村名、プルミエ・クリュ、グラン・クリュがある。
シャンパーニュ
シャンパーニュ地方で造られる炭酸ガスを含んだ発泡性ワイン。認可されているブドウ品種は黒ブドウのピノ・ノワールとピノ・ムニエ、白ブドウのシャルドネの3種類のみ。「シャンパーニュ」
とうたえるものは、発泡性の白とロゼに限られる。
シャンベルタン
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ニュイ地区・ジュヴレイ・シャンベルタン村の特級畑から作られるワイン。ピノ・ノワールの赤ワインのみ。
ジュブレイ・シャンベルタン
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ニュイ地区・ジュブレイ・シャンベルタン村の村名AOCワイン。ピノ・ノワール種の赤ワイン。プルミエ・クリュ、グラン・クリュがある。
シュバリエ・モンラッシェ
ピュリニー・モンラッシェ村のグラン・クリュで造られるワイン。
ソーテルヌ
ボルドー地方、ソーテルヌ地区のAOCは甘口ワインにのみ適用される。ポトリティス・シネレア菌による貴腐ワインである。
トゥーレーヌ
ロワール地方、トゥールの町を中心とした地域で造られるAOCワイン。カベルネ・フランやガメイ、コット(マルベック)から造られる赤、ソーヴィニヨン・ブランやシュナン・ブランから
造られる白、ピノ・ドーニスのロゼがあり発泡性ワインもある。
パレット
プロヴァンス地方の小さな栽培地で造られるAOCワインで、赤、白、ロゼがある。
ピュリニー・モンラッシェ
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ボーヌのピュリニー・モンラッシェ村で造られる村名AOCワイン。主にシャルドネ種から造られた白ワイン。
プティ・シャブリ
シャブリ地区の1番したのAOCワイン。「プティ・シャブリ」「シャブリ」「シャブリ・プルミエ・クリュ(1級畑)」「シャブリ・グラン・クリュ(特級畑)」の四つ
に格付けされている。
ムルソー
ブルゴーニュ地方のコート・ドゥ・ボーヌ地区最大の村、ムルソーで生産されるAOCワイン。シャルドネから造られる白。村名のものとプルミエ・クリュがある。
モレ・サン・ドニ
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ニュイ地区のモレ・サン・ドニ村で造られる村名AOCの赤ワイン。
モンバジャック
ドルドーニュ河の左岸、穏やかな丘陵の斜面に広がるコミューンで造られるAOCワイン。セミヨン種やミュスカデ種から造られる貴腐ワイン。
モンテリー
ブルゴーニュ地方、コート・ドゥ・ボーヌ地区のAOC。赤と白がある。
モンラッシェ
コート・ドゥ・ボーヌ地区のピュリニー・モンラッシェ村とシャッサーニ・モンラッシェ村にマタガルグラン・クリュで造られる白ワイン。もっとも偉大な辛口白ワインと評価
されている。
ロマネ・コンティ
ブルゴーニュ地方のコート・ドゥ・ニュイ地区、ヴォーヌ・ロマネ村のグラン・クリュデアルロマネ・コンティの畑から造られるワイン。
ブドウの種類
アリゴテ
白ワイン用の品種。栽培にはブルゴーニュ地方の土壌が最適とされている。果粒はシャルドネ種より大きく、多産性。
カベルネ・ソーヴィニヨン
赤ワイン用品種。ボルドー地方のメドック地区が有名な産地。色が濃く、濃厚デタンニンガ豊かな赤ワインとなる。熟成に従って個々のワインの成分が調和し、真価が発揮
される。
カベルネ・フラン
カベルネ・ソーヴィニヨンの亜品種で、ボルドー、ロワールの赤ワインの原料となる。カベルネ・ソーヴィニヨンに比べて果実の成熟期が遅いが果粒が大きい。
ガメイ
ボージョレー地方の赤ワインに使われる代表品種。ピュリニー・モンラッシェ村の近くのガメイという村で産出されたため、この名がついた。ボージョレー・ヌーヴォーの主要品種として知られており
生産性のある品種。
カリニャン
赤ワイン用の品種
グルナッシェ
赤、ロゼワイン用の品種。色はやや淡く、アルコール分が高く、果実味い富む。南フランス一帯で栽培されており、他の品種とアッサンブラージュして使われることが多
い。
シャルドネ
白ワイン品種。代表的な産地はブルゴーニュ地方や、シャンパーニュ地方。豊かな風味でしっかりとした酸のある辛口ワインが造られる。
シラー
コート・ドゥ・ローヌ地方の代表的赤ワイン用ブドウの品種。ワインは深みのある濃い色合いで、柔らかいがアルコール分の高い、ボディのある長期熟成タイプのワインとなる。
ソーヴィニオン・ブラン
ボルドー地方やロワール地方の主要品種。爽やかな酸味と柑橘系の香りのワインとなり、ボルドーデハセミヨン種とブレンドされて辛口白ワインとなるが、ロワールでは単一品種。
ピノ・グリ
白ワイン用品種で、アルザス地方で使われている品種、最近まではトケイ・ピノグリと呼ばれていたがトケイという貴腐ワインがオーストリアに存在することから、
フランスデハピノ・グリと呼ぶという決まりになった。
ピノ・ムニエ
シャンパーニュの補助品種として使われている黒ブドウ。病害虫に強く、安定した収穫量を得ることができる。
ピノ・ノワール
赤ワイン用品種。シャンパーニュ地方でも植えられているが、代表的産地はブルゴーニュ地方。カベルネ・ソーヴィニオンと比べて明るい色素でタンニンの作りが細かい。
きめ細かいボディのあるワインが造られる。
ミュスカデ
ロワール河下流、ナントの周辺で造られる辛口白ワイン。モトモトブルゴーニュ地方で栽培されていたムロン・ド・ブルゴーニュ種を移植し、ロワール地方で改名されたもの。
フランスワインはだいたい地名や畑名がワイン名となるが、ミュスカデはブドウ品種がAOCワインの名称ともなっている。
リースリング
ドイツを代表とする白ワイン用品種。晩塾で収穫量の多い品種。耐寒性で霜害に強いため、ブドウ栽培の北原で栽培される品種のひとつ。爽やかな酸味で切れ味がよく、味は辛口から濃厚な
甘口まで、香りはソフトな果実味から甘い香りまでと多様である。
佐藤陽一著 「家のみ外のみがもっと楽しくなるワインの話」
という本の中の、色あわせの基本部分が、とっても参考になるので
ここだけ、転載します。
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